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映像翻訳で必ず押さえたい4つのポイント

映像翻訳で必ず押さえたい4つのポイント

映像翻訳で必ず押さえたい4つのポイント


一口に「映像翻訳」といっても、その対象には映画やドラマ、音楽、アニメなどもあれば、法人や個人がホームページに載せている商品説明やプロモーションなどのWeb動画もあります。
いずれにしても映像翻訳(字幕制作)をされている、あるいは、字幕制作経験者の方であればよく感じることだと思いますが、やはり話すほうが書くよりも速く、多くの情報を伝達しています。

そして、書類などの翻訳と違い、映像翻訳には映像情報によって相手への伝達度、理解度が高まる要素がある半面、字幕は字数制限(リーディング・スピード)によって表現が限定される場合が多々あると感じます。その中で、映像翻訳を行っていく上で押さえるべきポイントを4つまとめてみました。



①正確性

まずは何と言っても、正確性、つまり、字幕は見る人にそこで話しをされている、または表示されている情報をできるだけ違和感なく、正しく、理解してもらう内容であることが必要です。正確でなければならないのは当然のこととは言え、後述の要素を鑑みると経験とそこから培われた技術が物を言ってくると実感させられます。


弊社では独り善がりにならないように、最終的には複数のスタッフによって、
原語⇔日本語間の翻訳の正確性をダブルチェック、さらに原語に引きずられて日本語として変な訳になっていないかなど翻訳作品としての質のチェックの工程を設けて、できる限りの正確性を担保します。


②理解力

正しく翻訳するためには、正しく理解する力が必要となります。

まずここで必要になってくるのは、ヒアリング力と語彙力でしょう。台本が提供される場合もあり、
爆発音などと重なってセリフが聞き取れない場合などにとても役に立ちますが、
特にヒアリング力は翻訳作業のスピードアップのためには欠かせない基本的な能力です。


作業面では一通り通しで映像を見て全体像を把握してから翻訳したいものです。 映画などは1本で完結している作品の場合はよいのですが、特に毎週放送のTVドラマのようなシリーズものはそれが難しい場合もあります。例えば、ストーリーの伏線が張られていたりすることはよくありますが、翻訳素材が1話から順に提供され、少し先の話数が提供される前に納品となるような場合は、せいぜい直後の1話先くらいまでしか考慮することができない時があります。


また、語彙力に関しては従来から存在する単語、慣用句はもちろん、社会の変化などから生じてくる新しい物にもアンテナを張る必要があるでしょう。ただ、それが流行語である場合はその賞味期限が短いことが多いので、翻訳対象物の性質や使用が想定される期間によって表現方法をそのまま流用するか、あるいは、より恒久的と思われる表現をするかを考える必要があります。


③要約力

映像翻訳の場合、基本的に人が話している箇所(コマ)の中で前述の正確性を実現しなければなりません。冒頭で述べたように、話すことのほうが書くよりも速く、より多くの情報を含んでいます。
実際の問題として、必ずしも情報のすべてを文字(字幕)にまとめることができないのが実情です。
そうなれば当然、ある程度の情報の取捨選択が必要になってきます。
そこで必要となるのが短くまとめる能力、要約力です。


映画やドラマでは、字幕のルールはだいたい以下のとおりとなっています。


【字幕のルール】
ルール1)1コマの尺の長さは最大で7秒くらいまで
ルール2)1秒あたり4文字が目安(Reading Speed:人が読めるスピードとして)
ルール3)1行あたり13~14文字で、2行まで


要約力には単に必要最低限の情報を見極める能力だけではなく、下記のような実例をご紹介します。


【簡単な実例】
例1)単純な置き換え:「…見ることができる」→「…見られる」
例2)視点を変えた置き換え:「…しなければできない」→「…すればできる」
例3)割愛:セリフでしゃべっていても、映像で理解が補完される部分は割愛する


など、字数を減らすためのテクニックもあります。


④表現力

映像作品を違和感なく楽しんでいただく、あるいは、プレゼン資料のような場合にはストレスなく内容を理解していただくには、時と場所、道筋にあった表現力も必要になってくるでしょう。これは翻訳初心者の方でも、読書や映画、ドラマなどの鑑賞を通して高いスキルをお持ちの方も多いでしょう。


ただ、音声吹き替えの場合は別として、字幕翻訳の場合は③の「要約力」にもあった字数制限によって使える言葉が限定されてくる場合があります。その中で豊かに表現するためには翻訳物の言語について語彙力があればあるほど有利となり、翻訳の幅が広がるしょう。やはり、これは経験と知識の蓄積によって選択肢の幅が広がる部分が大きいと思います。最初は調べたり意識して使ったりしつつ、徐々に日々の仕事の中に落とし込まれて自分の血肉となって身に付いていくものなのでしょう。


最後に、映像翻訳に必要なスキルは細かいことを言えばもっといろいろあると思いますが、前述してきたことだけでも、それぞれに、複合的に合わさって要求されることには際限がありません。日々、少しずつでも経験を積み重ねて前進し、よりよい映像翻訳を実現できるように邁進したいと思います。


文:八木 快之

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