コラム
JKLink流 字幕翻訳家デビューの道
「JKLink流 字幕翻訳家デビューの道…」ひと言で言うと“当たって砕けろ”です(笑)
いくら言語の能力が長けていて様々な分野に関する知識が豊富だとしても、実際に経験してみなければ全く分からないことだらけです。 字幕は映像デバイス(テレビやパソコン、スマートフォンなど)の画面の大きさに制限があるため、 字幕翻訳には文字数の制限があります。 制作時に一番難しく感じることが2つあります。
【字幕翻訳の2つの壁】
①制限された文字数に字幕を収めること ②外国語にしかない特有の表現をどう翻訳するか
字幕翻訳は通常の翻訳とは違い、かなり限られた文字数で翻訳をしなければなりません。 ドラマであればドラマ、バラエティーであればバラエティー、ドキュメンタリーであればドキュメンタリー、話の流れやのニュアンスを正確に読み取り、 それに適した日本語に翻訳するだけでなく、決まった文字数制限の中で翻訳を行うというセンスやクリエイティブさが求められるのが字幕翻訳家です。 JKLinkでは、まず簡単に字幕翻訳をする上でのルールを勉強したのち実践に入ります。 初めての字幕業務、字幕の入力ではやはり、作業時間と文字数との戦いが大きいでしょう。 字幕翻訳は物理的に膨大な時間がかかるので、その時間をいかに短縮していくかも生産性の面においては極めて重要なポイントです。
字幕翻訳の入力を終えたあとは、最初のチェック者(1次チェックという)翻訳する言語にも日本語にも精通している人材が映像と入力された字幕を一緒に見ながら修正を行っていきます。 誤字脱字はもちろん、翻訳する人材が気付かなかった点や、より自然で分かりやすい日本語になるよう手直しをするのです。
ここで直された部分を字幕翻訳家(入力者)本人がチェックすること、今後の制作の糧にしていくことが字幕翻訳家として成長する一番大きなポイントだと思います。
ただ1つ1つの言葉を翻訳することばかりに集中していると、どうしても全体的な流れを見落としがちだからです。この過程で字幕翻訳家(入力者)と1次チェックの人材が、よい表現はないのか、もっと他の言い回しはないのか話し合いやリサーチを行い、ベストな字幕が生まれるのです。
このあと更に、変換ミスによる誤字脱字を重点的に、字幕をチェックする工程があります。 映像を見ずにチェックすることで目から入る情報が排除され、また違った視点からチェックを行うことができるのです。 字幕翻訳家は最終的に自身が入力した字幕のどこが修正され、自身の字幕翻訳にどんな癖があるのか把握することができます。
JKLinkでは品質向上と個の実力を養うため、字幕翻訳者が他の字幕翻訳者のチェックを行うことが多々あるので、他の字幕翻訳家の字幕をチェックを行うことで自身とは違うスキルや価値観に触れられ、 “こういう翻訳の仕方もある”と勉強させられる面もあります。
こうしてJKLinkでは経験を積み重ねながら他のスタッフと協力し合うことで字幕翻訳家としての第一歩を踏み出し、チェックの過程を何度も経ることで、クオリティの高い字幕を制作することができます。 そして、字幕翻訳家として成長していくのです。