BreakTime
- 坊主アジョシの37時間ソウル旅行記
∗∗∗∗坊主アジョシ(43歳)とは∗∗∗∗
大学時代よりライター&スタジオミュージシャンとして活動。
李朝陶磁器への興味がきっかけで、朝鮮半島に関心を寄せる。
初回のソウルで好きな料理を注文できなかったことに腹を立て、文中に登場する“セタハン”こと世田谷ハングル講座で、ハングルの勉強中。
- 臨席の人から韓国の雰囲気をいただく楽しみ
これまでの一人旅では、なぜか韓国人の方と席を並べることが多かった。
2007-04-25
初回のKEでは、日本への留学生が隣に座り、「メッチュ ジュセヨ!」とアテンダントに話しかけた私に「韓国語がお上手ですね!」とものすごいお世辞を言ってくれた。
初めての訪韓だと告げ、ホテルの場所もはっきりはわからないと言うと、金浦空港で入国手続きを終えた後、地下鉄までいっしょに来てくれた。
さらに「通り道だからいっしょに」と地下鉄に乗り、遠回りをして降りる駅まで案内してくれ、そのまま改札を出てホテルまで送ると言ってくれた(有り難くもお断りしたが)。
そんな体験から、ソウル行きの便で韓国人と席を並べるのは、とても楽しいものだ。
今回隣に座った女性が韓国人だとわかったのは、たまたま(のぞいていたわけではないが)彼女がお小遣い帳をつけていたから。
レシートを見ながら、私よりきれいな文字で「原宿キディランド 350¥」とノートに記しているのを見て、あ、なるほどと思った。日本人なら「¥350」って書くでしょ!
反対に彼女は、私がセタハンのノートを開いているのを見て、韓国語を勉強している日本人だとわかった次第。
彼女は大学の日本語学科を卒業して、今回が初めての訪日だったそうだ。
5泊6日で東京と箱根に行ったが、まだまだあちこち行ってみたいとのこと。
親切な人にたくさん出会ったこと、案内板にハングルがあり驚いたことなどを話してくれた。
仁川とソウル、成田と東京が離れすぎているという話になったが、彼女の自宅は仁川市内で、金浦時代より楽です、との答え。失礼しました!
ひと言tip
①メッチュ ジュセヨ!:ビールください(맥주주세요)
・メッチュ→麦酒(ビール)、ジュセヨ→ください
②350¥:韓国원 (ウォン)の場合だと、350원 (ウォン)、₩350 と表記するのが正しい。
- 航空会社雑感
ノースの搭乗手続きはたいへん事務的で、ビジネスクラスとプライオリティを最優先し、エコノミーの乗客に冷たい。
2007-04-25
欧米の航空会社は一般的にそんな感じがするが、船旅と同様の厳然とした階級社会になっているのが面白い。
わずか3時間のフライトなので苦痛も感じないが、長距離だとちょっと腹が立つかもしれないな…と思いつつ機内に入る。
席は3列シートの窓側。
オンラインで座席指定ができたおかげで、ぎりぎりに空港についても窓側シートなのはありがたかった。
隣は「日本人? 韓国人?」という30歳くらいの女性、その隣はまぎれもなく韓国人のアジョシ。
暗い機内で、3者3様に機内をあれこれ眺めていた。
NWのフライトアテンダントは年齢の高い人が多く、日本人、韓国人、アメリカ人の混成チームだったが、なぜか英語も日本語もあまり上手ではなかった。
飛んでしばらくすると機内食のサービスがあるのだが、過去3回の中では最低! ちらし寿司とサンドイッチの選択だったが、サンドイッチはパサパサの冷た~いパンで、悪い意味でアメリカナイズされた超大味。
ナイフとフォークはプラスティック。
HITEビールがあったのがちょっとうれしかったが、食事を配り終わると瞬時にコーヒーと日本茶を配り、さっさと回収。
ドリンクもお代わりを頼む余裕がない。
うれしかったのは、日本の航空会社やKE、アシアナでは絶対に見ることができない、フライトアテンダントのしかめっ面や眉間のしわを見られたことだ。
こういう点では、アジアの航空会社はサービスがよいと言える。
KEなんか、機内用にチューブ入りの美味しいコチュジャンがあって、リクエストすると出してくれる。
料理も十分あたたかくて濃い味の、日本人から見るとちょっと韓国風味。
食器も機内サイズのきれいなステンレスのスチョ。NW、見習いましょう!
ひと言tip
・チューブ入りコチュジャン:
-市販価格1個1200ウォン程度
大韓航空から始まった機内サービスだが、重さにより燃油経費が変わる面から考えると
チューブ入りコチュジャン1個20g×乗客300人(Airbus 340、Boeing 777など300席基準)=片道6kgで、年間約10tにも及ぶ。
今現在は運行ルートによっては、「最初から出される」ではなく、「要求があった場合、出す」に変わったと - 成田も便利になったものだ
成田第一ターミナルに到着し、まずはノースのカウンターへ。
2007-04-10
アメリカ人、韓国人、日本人が入り交じって長蛇の列になっていたが、オンラインチェックインの時にプリントアウトしたA4の紙がそのままボーディングパスになるので、係員に見せ、預ける荷物もないので瞬時にチェックイン完了。
余裕というほどは時間がないが、両替でも…と思いきや、成田は手数料が高い!
手元に前回の残りが40000Wほどあったので、市内までは何とかなると考え、両替中止。
おきまりの出国手続きをして(成田の担当官は毎回愛想がよくなるように感じます)、免税店をちらっと眺め、現地のおばちゃんたちにとマイルドセブンと柿ピーを購入すると、もう搭乗時刻だ。
ひと言tip
・仁川空港からソウル市内まで、一番安い手段とは:
①仁川空港貨物ターミナル~ソウル5号線「松亭駅」:607番バス(4500ウォン)
②仁川空港~金浦空港、7番(市外バス乗り場):京畿高速/大元高速 運行の空港バス(2800ウォン) - 仕事をうち捨て、いよいよ出発!
仕事が全部終わったのは、出発当日の昼前。
2007-04-10
それからあわてて旅支度をするが、よく考えると37時間の旅。
旅なんて、パンツとパスポートとお金とカードさえあれば、何とかなる! と思ってはいるのだが、事前のO女史からのメールでは、天気予報では最低気温がマイナス7度とのこと。
防寒対策のために服と帽子(坊主頭には必需品)、手袋、耳当て、そうそう、塗るホッカイロも入れて…などと、いそいそ仕度をする。
平行して、e-ticketの控えをプリントしたり、オンラインチェックインの書類を確かめて、帰宅までに使う順番に並べたファイルを作ったり。
あ、韓国は使い捨てをしないために、歯ブラシとひげそりも持参だったな…とバッグに入れたり。
そんなことをしているとあっという間に出発の時間だ。
せっかくの安いチケットなので、どこまでケチケチできるかを考え、空港までは京成の普通の特急を使うことにした。
オンラインチェックインのおかげで、空港には1時間ちょっと前に到着すればよいのだが、成田エクスプレスを使わないと上野から約1時間半。やはり成田は遠すぎる(仁川も)。
羽田・金浦便は短期滞在には非常によいのだが、料金がまだ高いので、貧乏人には使いにくい。 - 徹夜の合間にネットで準備
出発の3日前。
2007-03-04
仕事の原稿が間に合わず、徹夜続きになってしまった。
ただ、煮詰まって原稿が書けなくなるたびにWebサイトの韓国情報を見ていたので、気分は十分盛り上がっている。
ノースは日本から訪韓するには短時間の滞在となってしまうが、一つだけよいことがある。
サイトからオンラインでチェックインができるので、事前に席を予約でき、空港での待ち時間が少ない。
つまり成田まで行ってごちゃごちゃしなくて済むので、出発ぎりぎりまで準備に費やせるのだ。
また、SKテレコムの携帯電話の予約も日本語でできるサイトがあり、4日前には現地での電話番号もわかった。
留守宅には安心だし、O女史にもあらかじめ伝えることができたのは有り難かった。 - やりたいことは山ほどあれど…
ショッピングや食事など、やりたいことは山ほどある。
2007-03-03
短期留学中のクラスメイト、O女史にも会いたい。もちろん懐かしいKim先生にも。ボロくなってきた財布も韓国で買いたい。
願わくば骨董品も見たい…とふくれあがる欲望を抑えて、37時間で、しかも市内から離れたホテルに泊まって何ができるのかを冷静に考える。
すると…、なぁんにもできないぞ! という結論。
仕方がないので、最小限の予定を立てた。
初日
仁川到着、日本で予約したSKテレコムの携帯電話をピックアップ、リムジンで市内、軽い食事、屋台で買い物、バスでホテルへ→ぐっすり寝る!
2日目
タクシーで市内へ、町中の安食堂で朝ご飯、曹渓寺へ、可能なら応量器(禅寺のお坊さんが食事に使う器)を買う、財布を見る、これまでの訪韓でお世話になった市場のおばちゃんたちにハングルであいさつしてみたい、キムチその他の買い物、夕刻からO女史とKim先生に会う、ホテルへ戻って就寝
3日目
タクシーで市内へ、食事、リムジンで空港へ、帰国
う~ん、不完全燃焼。でも6012円だから…。というわけで一応納得し、O女史とKim先生にメールを打った。
訪韓を待っているとのあたたかい返信をいただき、ふと思った。
ソウルの知人を訪ねるのは初めての体験だ。
生活文化に興味がある私としては、リアルタイムにいろいろなことを聞くことができる、またとないチャンス。
よし、今回の旅のテーマは「生活文化」だ!
- 6000円の中味
SARSやインフルエンザで、しかも冬の寒い時期で、ソウルへのツアーはとても安くなっている。
2007-02-20
とはいえ一人旅をしようと思うと、一人部屋追加料金やらなにやらで、結構な金額がかかるもの。
そんなことで、これまで3回の旅行は、すべて航空券のみを予約して、鐘閣あたりの荘旅館を自分で予約していた。
ホテルまで旅行会社におまかせ、エアーもどこかわからないという状況は初めてだったので、不安と楽しみが混在していたのだが、何があっても「6012円だからなぁ」で済ませられる。
便が決まったのは出発の3週間前。
航空会社はノースウェスト、007便という最終便。
成田発18時15分、仁川着21時5分。
帰国便は008便で仁川を10時40分に発つ。
「ってことは、仁川到着から出発まで37時間35分! でも6012円だからなぁ…。
ホテルは…オリンピアホテルか。ネットで調べてみよう…、特2級か、ずいぶんいいホテルだなぁ。
送迎やシャトルはなし、か。
市内からはバスかタクシーね。タクシーでも10分くらいということは、10000Wはしないだろうな。」
と楽しみながら考える。
37時間35分はあまりにも短いので、旅の目的を絞らないとどうにもならない。
過去の旅は、私の好きな李朝の陶磁器とふれ合うことを目的に、博物館や骨董品屋をめぐったり、普通の食堂の韓国料理を食べたり、日本人があまり行かないような小さな市場でディープなソウルを楽しむことに終始していた。
でも今回はすべて体験するのは無理。そこで、韓国の仏教のはじっこを眺めてみようと、ソウルのど真ん中にある韓国仏教最大宗派の総本山、曹渓寺の見学に焦点を絞った。
ひと言tip
・曹渓寺(조계사:チョゲサ):韓国仏教とその代表宗派である曹渓宗の主要寺院。曹渓寺法堂は仏教行事の中心地としてほぼ一年中、法会や講座、法事などさまざまな儀式が行われている - それは年末のメールマガジンから
セタハンに通い始めて約1年。
2007-01-29
クラスメイトがつぎつぎと韓国を訪れるのを指をくわえて見ていた私のもとに、1通のメールマガジンが届いた。
「2004年お年玉企画! ソウル3日間、ホテルも航空券も2004円! 先着5名様、1月6日10時予約受付!」
え~、2004円ってことは、2泊3日でホテルとエアーで6012円!
今は無職だけど、このくらいのお金ならあるぞ!
これは行くっきゃない! というわけで、年末の大掃除の合間をぬってカミさんに
「あのね、もし、もしも予約できたらの話なんだけど…、2月4日からソウルへ行ってもいい? 6012円なんだけど…」と打診すると、「せっかくセタハンに通ってるんだから、行ってきたら?」との答え。
何が何でも先着5名様になってやる! と息巻いて、1月6日、仕事の打合せの合間に自分のパソコンから予約手続きをした。
どうせダメだろうけど…と半分あきらめていたのだが、その日の夕刻に「予約が取れました」のメールが。
すぐにネットから振込手続きをして、私の4回目のソウル行きが決まった。
ひと言tip
・2007年1月29日の為替:100円=770.99Won
・アジョシ(아저씨:オジサン):血縁関係のない男の人で年上の人に対する呼称
・セタハン:『ハングルを学びたい、韓国文化を知りたい』人のためのサークル


